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2023年に注目すべき暗号通貨のトレンド・業界の行方

2023年、暗号通貨市場は力強く前進するでしょう。

ビットコインが40%上昇している一方で、Tezos (XTZ) やAptos (APT) といったアルトコインは、独自の期待に基づき、それぞれ60%、400%とビットコインよりも大きく上昇しています。

この傾向が続くかどうかにかかわらず、暗号通貨にとって最悪の年の重要な心理的転換を意味します。

2022年の教訓と無数の倒産のあと、暗号通貨市場が強気に転じるかどうかは、FRBの金融政策、マクロ経済条件、株式市場の動向に大きく左右されるでしょう。

ここでは、2023年の暗号通貨のトレンドの中で特に注目すべき3つについて検討してみましょう。

規制強化

アメリカでは、その良し悪しはおいておくとして、法律による暗号通過規制はほとんど存在しません。その代わりに、SECやFinCENなどの規制機関が、パッチワークのように規制やガイダンスを公布しています。このように包括的な連邦法が存在していないことにより、企業も個人も不確実な状況に陥っています。

主にSECが暗号通貨規制の空白を埋めていくことになりましたが、同委員会は次のような対応を行いました。

  • 2019年に既存のSEC規制を改正し、企業がICO (Initial Coin Offering) による資金調達を行えるようにすることを提案
  • 違法なICOを行い、投資家を詐取したとして、複数の個人と企業を提訴
  • 2013年にウィンクルボス兄弟が初めて申請して以降、これまでに一度も承認されていないビットコインETF (上場投資信託) の申請審査を開始
  • 2020年にデジタル資産を米国法上の有価証券とみなす条件を明確化したガイドラインを発表

最後の点は、最も大きな影響を及ぼす可能性があります。SECは、暗号通貨が証券に分類されるかどうかを判断するために「Howey Test」を利用しています。デジタル資産が他人の努力から得られる利益を期待してローンチされた場合、SECによって証券であると判断される可能性が非常に高いです。

複数のSEC委員によれば、これによってビットコインとライトコインを除くすべての暗号通貨が、そしておそらくイーサリアムも、証券であると判断される可能性が高いといいます。

どのような規制が行われるかについては、SECとRipple Labsの訴訟の結果によって決定されるでしょう。もしSECが勝訴すれば、暗号通貨の売買方法や業界の企業のあり方に影響を与えることになります。

そうなれば、暗号通貨プロジェクトの大半は、次のような証券取引法や規制を遵守しなければならなくなります。

  • 非常に時間とコストがかかるSECへの登録が必須になる
  • 証券となった場合より多くの制限を受けることになるため、暗号通貨プロジェクトへの潜在的な投資家が限定され、取引も制限を受ける
  • 新しい規制基準に準拠するためのコンプライアンスコストと法的コストの増大は、アメリカからの暗号通貨産業の流出を引き起こす可能性が高い

このような規制は、投資家の保護を強化すると同時に、暗号通貨空間に広まっていた革新的な雰囲気を消し去ることになります。

2023年初頭に、暗号通貨空間の崩壊、破綻、投資家の巨額損失が発生しました。

行政面では、ホワイトハウスが1月27日に「暗号通貨のリスクを軽減するためのロードマップ」を発表しましたが、これは名前から分かる通りネガティブな見通しに基づくフレームワークとなっています。

Terra USTステーブルコインの崩壊とFTXの破綻を引き合いに出しているように、バイデン政権の担当者は暗号通貨業界を好意的に見ておらず、議会によるいかなる潜在的な立法措置も、「年金基金のような主流機関が、暗号通貨市場に真っ向から飛び込むことを容認してはならない」と主張しています。

ホワイトハウスによれば、そうすることは「重大な過ち」なのです。最も可能性の高いシナリオは、バイデン政権が既存の金融機関を優遇するような法案を通過させることです。2020年のバイデン陣営の形成には、元ゴールドマン・サックスの社員などが大きな役割を果たしたことを思い出すべきでしょう。

また、ゴールドマンサックスは11の暗号通貨スタートアップに投資した後、FTXの崩壊の後も、割安感が増した数多くの暗号通貨プロジェクトに投資していく計画を明らかにしました。このような見通しを持つのは、ゴールドマン・サックスのみではありません。

顧客は、暗号通貨のみを扱うスタートアップ企業への信頼を失い、より信頼できる取引先を探しています。
-Mark Bruce (Britannia Financial Group、CEO) のロイターでの記事より

いずれにせよ、アメリカ議会には投資家保護のための新たな法律を求める議員が溢れかえっていることでしょう。規制機関はどちらかというと、プロアクティブではなくリアクティブです。2023年に行われる規制は、2022年に起こったことへの反応として行われると考えられます。

証券のトークン化

ビットコインは社会的共通認識において、デジタル資産の正当性を確立するという重要な役割を果たしました。このような偉業とと同時に、ビットコインはブロックチェーン技術そのものの優位性も示しました。ブロックチェーンは記録を改竄することができないため、仲介者を介さず信頼性の高く24時間365日利用できる決済への扉を開いたのです。

次の進化は、有価証券のトークン化です。トークン化された証券は、現実世界の資産、すなわち債券、株式、不動産、あるいは投資として販売されるデジタルアート作品です。これらの資産の所有権はトークンとしてブロックチェーン台帳に記録され、より安全に譲渡可能なものとなることで、より多くの投資家がアクセスできるようになります。

ブロックチェーン技術とこれまで規制されてきた証券が交わることで、証券の流動性とアクセス性が飛躍的に向上し、24時間365日利用できるマーケットプレイスの登場が期待でます。1兆ドルの資産運用残高を誇る世界最大の資産運用会社であるBackRock社のCEOであるLarry Fin氏は、このように語っています。

「私は、市場、つまり証券の次のステップは、証券のトークン化だと考えています。」
-Larry Fink氏、BlackRock CEO

証券のトークン化の重要性

2021年1月のGameStop・AMCのショートスクイーズなどによって、株式売買の裏側が見えてきました。それは、複数の仲介機関からなる巨大な迷宮なのです。これにより、取引量が多くなると、100万株を超えるGME株のFTD (failing-to-deliver) が発生することすらあります。

アメリカの株式市場では、ブローカー (Robinhoodなど) からマーケットメーカー (Citadel Securitiesなど)、そして清算機関 (DTCC) へとつながる取引が、2日間の取引決済期間 (T+2) に依存しているためです。トークン化されれば、こうした取引は単一の安全なブロックチェーンネットワーク上で24時間365日リアルタイムに執行されることになります。

世界で最も偉大な金融システムが、取引をリアルタイムで決済できない理由はなく、これを達成することで、処理に時間がかかることがもたらすリスクを大幅に軽減することができる。
-Vlad Tenev氏、Robinhood CEO

ブロックチェーン上で決済が行われて処理にかかる時間がほぼなくなるとリスクが軽減されます。また、より多くの取引を短時間で執行でき、取引決済のタイムラグがなくなるため、価格形成の即時性や市場の流動性向上につながります。

CBDCが導入されれば、FX市場でもこのような効率化が進むと思われます。現在は旧来の銀行が仲介しているため、FXブローカーも数日間の取引決済のタイムラグを被らなければなりません。

GameFi、NFTs、オプション取引

話が戻って、Aptos (APT) が今年400%以上も価格上昇しているのはなぜでしょうか?斬新で高速なPoS L1チェーンというファンダメンタルズ以外では、その多くがNFT取引による上昇でした。その結果、投機的な話題性によって、APTの需要が高まりました。

Aptos Labsの共同創業者であるMohammad Shaikh氏は2023年に、NFTが単なる収集品を超えるものになると語りました

NFTも、ゲームやソーシャルプラットフォームのように、自分についてや来歴を共有することで、現実のコミュニティとつながる機会を持つべきでしょう

つまり、トークン化された証券が伝統的金融システムとブロックチェーンを橋渡しするように、NFTは不可知論的な所有権のトークン化を提供するのです。これは、GameFiからNFTとしての車のタイトルにまで広がり、カリフォルニア州のDMVがプライベートインスタンスのTezosブロックチェーン上で実装が進められています

GameFiはメタバースの一部であり、人々はポータブルデジタルアセットを使って、イールドファーミング、借入、貸付などのゲーミフィケーションされた金融ツールを使用しています。また、俯瞰的に見ると、メタバースはポータブルなデジタル資産を複数の仮想環境でシームレスに使用することを中心に展開されています。

このブロックチェーンの相互運用性こそが、「メタ」を生み出すのです。2023年には、AptosでGran Saga Unlimitedとして登場予定のGran Sagaを制作した韓国のNPIXELが新たに立ち上げたMetaPixel for Aptosなど、複数のWeb3ゲームエコシステムがオンライン化されるでしょう。

2022年は倒産で溢れたかもしれませんが、マッキンゼーのレポートによると、「メタバース」は同年の前半だけで1200億ドルを受け取ったことを念頭に置いておく必要があります。

JPモルガンもメタバースに関しては非常に強気な見通しを発表しました。

メタバースは今後、あらゆる分野に様々な形で浸透していくと考えられ、その市場規模は年間1兆円以上と推定される

2023年とその翌年には、これらの投資の種がメタバースという木に芽生えるでしょう。しかし、まだキラーソフトは出てきていません。それが現れるまでは、機関投資家のトレーダーはますます暗号通貨のオプション取引でヘッジするでしょう。

暗号通貨オプション取引の増加

8月の弱気相場の間、イーサリアムのThe Mergeに関する投機が大流行し、ビットコインの建玉を上回ることさえありました。暗号通貨業界の若さを考えると、ビットコインのわずか2%の建玉は、S&P 500の時価総額の20%にのぼる従来のオプションと比較してさえ、印象的なものでした。

当時、Enhanced Digital Group (EDG) は、これを暗号通貨オプション取引の成長と普及の始まりであると予測しました。

ETFやSPミニなど、他の[S&P500]的な商品を考えると、ビットコインのオプション取引はこれから何倍にも成長すると考えられます
-EDG Marcin Maksymiuk氏

2020年、Covid-19が猛威を振るう中、オプション取引はリテール志向の若年層から絶大な人気を博した。この傾向は2021年まで続き、オプション取引は前年比35%増となり、リテールがそれを牽引しましts。Robinhoodのような使いやすい取引アプリや、新しい投資家を惹きつけたオプションアラートの人気によって、オプション取引は新しい若い層、つまり暗号通貨の取引も活発に行う層で急上昇しました。

その後、他の市場と同様、暗号通貨市場でのオプション取引は減速しましたが、最近になって関心が戻り始めています。

1月が終わりに近づくと、時間がMarcin氏の正しさが証明されました。Arcane Researchによると、CMEビットコイン先物の建玉は過去最高値に近い21%まで上昇した。前回同様、ビットコインの値動きに賭けて飛びつく機関投資家が増えたのです。

暗号通貨証券が乱立する中で、ビットコインが唯一のトップ商品と見なされる可能性があるため、暗号通貨デリバティブ市場にさらに影響を与える可能性は大いにあります。

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